セルフエンプロイビザ(個人起業ビザ)は2017年以降の申請では就労ビザが付帯されなくなりました。

私は昨年中に申請手続きしたため、個人起業ビザでありながら被雇用者として自由に働ける就労ビザもついてきたためアルバイトが可能なんですが、2017年以降に個人起業ビザを申請した場合は、自分のビジネスでしか働けません。

それでもオランダでの起業は他の国に比べて、容易な手続きと少ない資金で始められるため、アイディアと行動力があれば成功させる事も可能だと思われます。

今日は私が個人起業ビザを取得するまでの経験を紹介したいと思います。
(全ての手続きを自分で行ったため、その時の運や状況での出来事も多少あると思いますので、あくまで参考と言うことでのお話になります。)

まず個人起業ビザを申請する前に、当たり前ですがどんなビジネスを始めるかを決めます。(後々変更もできますが、何をするかが無いと何も始まりません。)

決めることは
ビジネス内容
ターゲット
月間・年間の収入と経費の予想。

この3つを押さえておけばギリ何とかなる範囲だと思います。
大まかなビジネス内容が決まったら英文のビジネスプランを作りましょう。

 

ここからはオランダ到着後にする手続きを順にご紹介します。


⑴まず初めに、住民登録が可能な家を探すことになると思います。

オランダの賃貸物件は住民登録(registration)できる家とできない家があり、また住民登録できる人数も家によって異なります。(この住民登録ができないと各種手続きができません。)

家の賃貸契約を結ぶには、仕事の契約書や収入証明などが必要だったりします。それらを用意できないと保証金として半年分の家賃を前払いする方法もあるようです。

オランダ入国後、最初の難関が家探しになると思います。日本でネットを介して事前に決めてしまう方法もありますが、あまりオススメできません。賃貸にあたっての詐欺が多いからです。

家探しに関しては話すと長くなるため、アムステルダム住宅事情と家探しをご覧ください。

何とか家が決まったとして話を進めていきます。


⑵デン・ハーグの日本大使館にて日本で取得して来た戸籍謄本を英訳してもらいます。

<photo credit: k.landerholm Passport Photo via photopin (license)>

パスポート、戸籍原本を持って行き、大使館にある英訳申請書類を記入します。手数料は10ユーロくらいだった気がします。
発行までに1週間ほどかかるため、申請と受取りの2回、大使館に行くことになります。
(地域によっては月1回の出張サービスを利用して申請ができます。)
詳細は大使館のHPでお確かめ下さい。
在オランダ日本大使館

戸籍の英訳を受け取ったら、その足でオランダ外務省へ行き、リーガリゼーション手続きをしてもらいましょう。(こちらもデン・ハーグにあります。)
パスポート、戸籍原本と英訳、日本の外務省で発行してもらったアポスティーユ証明証、手数料10ユーロで即日でリーガリゼーションしてもらえます。
(オランダ外務省のリーガリゼーション手続きの時間が午前中のみなのでお気をつけください。)
オランダ外務省

<スポンサーリンク>



リーガリゼーションすることで、自分の戸籍がオランダでの正式な書類となります。パスポートと同じくらい大切に管理しましょう。

*⑵の内容は家探しと同時進行で行うことになると思います。
*渡航前に”戸籍謄本(または抄本)”と”アポスティーユ証明証”は準備してきましょう。


⑶市役所で住民登録の事前相談をします。

ビザがないため賃貸契約があっても住民登録はまだできませんが、事前に相談することで仮登録をしてくれる可能性が高いです。

自分の家の地区の市役所へパスポート、賃貸契約書、リーガリゼーション書類を持って行き、(できないことは分かっているけども)住民登録したいと言ってみましょう。
その場で市役所のサイン入りの”Bewijs van Bekendmaking de Basisregistratie Personen”(住民登録用紙)を作ってもらえると、その後の申請が少しだけスムーズになります。

*市役所は地域によってアポが必要とか、アポ無しは午前中のみ受付なところもありますので事前にHPなどで確認しましょう。
*サイン入りの住民登録用紙が発行してもらえると、そのあとのBSNナンバー取得までが早くなる場合があるためであって、⑶の手続きはしなくても問題ありません。


IND(移民局)にアポを取ります。

<photo credit: MrJamesBaker Phone via photopin (license)>

INDのアポイントは通常電話での申し込みとなります。時期にもよりますが、場所によっては3週間待ちだったりしますので早めにアポを取ったほうがいいと思います。どうしても直ぐにアポを取りたい場合は電話で近日中にアポが取れるINDがないか聞いてみましょう。アムステルダムは比較的いつも混んでますが、デン・ハーグは予約が取りやすいです。またアポを取る時に申請に必要な物を確認しましょう。

私の時はパスポート、ビザの申請書類、リーガリゼーション書類と戸籍の英訳、ビジネプラン、申請費用(2016年は1300ユーロくらいでした)”だったと思います。でも不安だったので、持ってる書類全て持って行きました。
*ビザの申請書類(Application for the purpose of residence of ‘to work on a self-employed basis’ (foreign national))はINDのHPからダウンロードできます。
Immigration and Naturalisation Service (IND) 

市役所で発行してもらった”Bewijs van Bekendmaking de Basisregistratie Personen”(住民登録用紙)も持って行き、INDのサインをもらってきましょう。次のステップで必要になります。

問題なければ即日に6ヶ月の一時滞在許可が降り、3ヶ月以内に申請用紙に記入した住所に手紙が届くと言われると思います。その手紙に追加で提出する書類の内容が書かれてきます。

この日に指紋データと証明写真が撮られます。この写真が最終的に発行されるIDカードの証明写真になるので、お化粧をお忘れないように。

ビザの交付までは3-6ヶ月待つこととなるかと思います。


⑷市役所で住民登録をしてBSNナンバー(市民番号。マイナンバー。)を取得します。

<photo credit: Matthias Neugebauer 1-2-3-4-5 via photopin (license)>

賃貸契約書、一時滞在許可証、リーガリゼーション書類が必要です。
INDのサイン入りの”Bewijs van Bekendmaking de Basisregistratie Personen”(住民登録用紙)も提出しましょう。

申請後1ヶ月くらいでBSNナンバーお知らせの手紙が届きます。

でも実際はそんなに待って入られません。そこで1週間後くらいに市役所に行って、銀行口座を作りたいからBSNナンバーを教えて欲しいと頼んでみましょう。担当者がいい人であれば?BSNを含めた個人情報の書類をコピーしてくれます。書類にはオフィシャルなものではないとの記載はありますが、この用紙はものすごく役立ちます。


KVK(商工会議所)で事業登録をします。(事前予約必要。)

<photo credit: wuestenigel Wochenkarte im Cafe Buur Köln via photopin (license)>

アポはKVKHPより予約できます。
KVKHPはオランダ語と英語表記があるのですが、グーグル翻訳などを使いながらオランダ語表記の方で進めた方が、当日の手続きがスムーズになります。

オランダ語のHPから、登録→新規登録→個人事業主→3ステップ登録と進んでいくと、予約の前に事前準備という項目があります。記入できる部分だけでも入力してから予約を取ると、当日既にシステム上に反映されてるので、短時間での登録ができます。分からないところはスキップしておいても大丈夫です。
英語表記からのページでも予約は取れますが、予約前の事前準備項目がKVKのシステムと連動されていないようで、当日担当者が全て再入力していくため時間が少しかかります。

ビジネプラン、一時滞在許可書、BSNナンバーの手紙(もしくは⑷で手に入れたオフィシャルではないBSN書類)、登録料金(50ユーロ)、事業証明書発行料(15ユーロ)1時間くらいでささっと終わります。(担当者にもよりますが)

私の事業登録の体験談は過去ブログより参照ください。

*事業はKVKに登録した段階でビジネスを始められますので、BSNナンバーが取れたら直ぐにアポを取りましょう。

Kamer van Koophandel


⑹次に銀行口座を作ります。個人の口座とビジネス口座の2つを作ることになります

<photo credit: Petr Sejba Pig with money in the mouth via photopin (license)>

KVKの書類、一時滞在許可書、BSNナンバーの手紙(もしくは⑷で手に入れたオフィシャルではないBSN書類)があれば即日できます。

*口座ができるまでは日本からの送金もできないので、ここまでの生活は手持ちの現金とクレジットカードを駆使してくことになると思います。
*個人の口座だけであればBSNナンバー取れた時点で作ることができます。直ぐにでも送金して手持ちのお金が欲しいなどの緊急時は先に個人口座を作り、KVKの登録後にビジネス口座を開くことも可能です。

私の口座開設の体験談は過去ブログより参照ください。


⑺オランダの公認会計士にBECONを作ってもらいます。

<photo credit: wuestenigel Taschenrechner / Calculator via photopin (license)>

ビジネス口座に最低4500ユーロ入金し、自分のビジネスプランを基にオランダの公認会計士にビジネス口座の証明書(BECON)を作ってもらいます。1週間くらいで作ってもらえますが、作成手数料が250300ユーロほどかかります。
公認会計士は掲示板などから見つけることができると思います。(自分がどうやって探したか忘れてしまいましたが、グーグル検索とかだったと思います。)


INDに申請してから2-3ヶ月後に手紙が届いたら。

<photo credit: wuestenigel Briefwahl 2017 via photopin (license)>

INDから追加書類の要請の手紙が届いたら、KVKの書類、銀行の書類、BECONを郵送します。
(送付する書類に関しては、INDの手紙に記載されていますので、そちらを確認してください。)

早ければ1ヶ月以内にINDから再度手紙が届き、ビザ発行の案内とIDカードの受取りのお知らせがまいります。
届いた手紙とパスポートを持って、お住いの地区のINDへ出向くとIDカード(滞在ビザ)が受け取れます。名前などの個人情報と、ビザの有効期間などしっかり確認して受取りましょう。


 

とんとん拍子に進めば、オランダ到着後1か月以内に事業がスタートでき、3ヶ月以内にはビザが交付されると思います。ただしビザの手続きや法律は、ぶっちゃけコロコロ変わるのと、各種申請はその時の担当者にも左右されたりしてしまうので、不安であれば弁護士さんに依頼する方が確実だと思います。
自分で手続きする限り、”マジかー!?”って出来事もあると思います。ただ全く知らない外国で自分でビジネスを始めようと遥々渡航してきたのであれば、簡単に諦めないで頑張ってみてください。きちんと下調べをして、分からないことは聞きに行けば、みんな親切に教えてくれると思います。意外とビザが取れた後のオランダ生活の方が”マジかー!?”って事も多いので、その事前練習になると思います。Good Luck!